【顧客事例紹介】スリランカテック企業の魅力 – Frontieer Japan合同会社

スリランカハイテク技術推進プラットフォームでは、スリランカのテック産業・企業の魅力を日本の企業様にお届けしています。今回は、スリランカのテック企業と協業経験のあるFrontieer Japan合同会社の大谷氏にインタビューさせて頂きました。背景や事業課題、取引メリットから潜在課題、その解決策まで貴重な経験をシェア頂きました。


事務局:
簡単に会社及び自己紹介をお願いします。

大谷氏:
FrontieerJapan合同会社の大谷と申します。中東・南アジア圏での貿易と、スリランカメインでのITオフショア開発環境を日本企業に提供する事業を行っております。


事務局:

スリランカテック企業との出会いについて教えてください。
また、当時の第一印象はいかがでしたか?

大谷氏:
一番初めは自社HPと弊社クライアントの輸出商品用の海外向けLPを作成する委託先を探すため、自身のスリランカ在住の友人から紹介を受けたのが当時フリーランスで現SoftSora CEOのNilanでした。依頼側の意図した内容の制作に加えて、良い提案を頂きながらリアルタイムに進められた良い印象があります。


事務局:

当時、どのような背景や課題・ニーズがありましたか?

大谷氏:
予算や時間がない中で国外向きのLPを作成するという背景で、コスト面での優位性があり制作品質の高い開発先を探す必要がありました。当時、オフショアはベトナムが一般的で、それ以外はほぼ選択肢はない状況でした。スリランカのI T開発は全く実績も情報もない中でしたが、縁もあり実験的に試した次第です。

事務局:
なぜ最終的に、そのスリランカテック企業との取引を決めたのですか?

大谷氏:
当初は単発のLPなどの小規模案件を多くこなしていたのですが、今までベトナムに発注していた企業様からの評判が大変良かったというのがあります。その後、ベトナムからスリランカチームに技術的優位性が高いという理由で切り替えるという案件が重なり、技術的難易度の高いものや緊急時の対処などを含めて総合的に対応力が高く責任感のあるチームであるというのが明確になり、現在全取引をスリランカで行うようになりました。


事務局:

取引により、どのような成果に繋がりましたか?
差し支えない範囲で回答頂ければ幸いです。

大谷氏:
2年ほどの経験を経て、現在は常時15件ほどのプロジェクトを抱え、システム開発分野では国土交通省関連のシステムの一端に携わることになり、ARでは大手飲料メーカーや家電メーカーのプロモーションなど、日本人の誰もが知る企業の大きな事業にいくつも携わることになりました。

事務局:
スリランカテック企業との取引で苦労された点はありますか?
有効なアプローチ・対策として何が考えられますか?

大谷氏:
よく聞かれる言語コミュニケーション部分はそこまで問題ではありませんでした。今でも苦労する部分ではありますが、日本人特有の”完成日程に合わせて逆算して調整をする”という文化がスリランカ含めて他国にはない習慣のため、メンバー全体への浸透までに相当な時間をかけています。有効なアプローチとしては、その習慣を習得した固定メンバー軸にチーム組成を行うことかと思います。


事務局:

最後に、スリランカテック企業との取引を検討されている日本企業へメッセージをお願いします。

大谷氏:
外国人だから日本人より技術レベルが低いというイメージがある企業様もいますが、実態はそうでもないというのが私の感想です。また、スリランカは仏教メインの国で、日本に対しての憧れもある国柄なので、真面目で努力家が多く、責任感が強い人が多い印象です。新しい技術に対しても積極的に研究、取得をしており、業務時間外の勉強会への参加率も高く、自己研鑽に時間を惜しまない人も多いと感じます。業務委託先の外国人という視点ではなく、一人の技術者として向き合って色々試していくのが一番の正攻法かと思います。日本のやり方や常識が実は世界的には3歩遅れていた、というようなことも経験していますので、“日本側のやり方を押し付けるのではなく、共同で最適解を見つけていく“というやり方ができると大きな事業につながっていくかもしれません。


インタビュイー:
FrontieerJapan合同会社
代表 大谷 智章氏